2010年03月10日
第59回 亜流里句会
第57回 句会報(10/1/8)
原英俊 選
<特選>
野火烈しゴッホの耳を照らし出す 嘉代子
春の宵ちょっと寄り道回り道 土筆
理科室の光歪めるヒヤシンス 青二
<秀逸>
綾取りのこんがらがるや春の宵 猛虎
新しき銀輪届き卒業す 蕪陵
留守電の亡夫の声聞く春の宵 糸遊
小児科のオルゴール雛やや音痴 常治
春の旅モラトリアムを漂わせ 文也
シャガールの女胸抱く朧の夜 雅子
デイケアのバスに乗る母春ショール 蒼城
鉄骨に対峙の城や春霞 辰若
初卒業の君の背丈は父を超え 麗良
竹材に続くなぞへに侘助が 蒼城母
おろしたての靴の違和感春愁 加尾
中嶋常治 選
<特選>
理科室の光歪めるヒヤシンス 青二
<秀逸>
揺れ残るブランコ涙目の少女 嘉代子
しゃぼん玉子は一言で母を消す 糸遊
永き日の崩れすぎたる女文字 猛虎
いつからか嘘つくことを春帽子 日田路
亜流里 選
<天>
たらの芽の独り笑ひのほろ苦き 文也
理科室の光歪めるヒヤシンス 青二
<地>
缶蹴りの鬼のままにて卒業す 猛虎
野火烈しゴッホの耳を照らし出す 嘉代子
春の宵ちょっと寄り道回り道 土筆
原英俊 選
<特選>
野火烈しゴッホの耳を照らし出す 嘉代子
春の宵ちょっと寄り道回り道 土筆
理科室の光歪めるヒヤシンス 青二
<秀逸>
綾取りのこんがらがるや春の宵 猛虎
新しき銀輪届き卒業す 蕪陵
留守電の亡夫の声聞く春の宵 糸遊
小児科のオルゴール雛やや音痴 常治
春の旅モラトリアムを漂わせ 文也
シャガールの女胸抱く朧の夜 雅子
デイケアのバスに乗る母春ショール 蒼城
鉄骨に対峙の城や春霞 辰若
初卒業の君の背丈は父を超え 麗良
竹材に続くなぞへに侘助が 蒼城母
おろしたての靴の違和感春愁 加尾
中嶋常治 選
<特選>
理科室の光歪めるヒヤシンス 青二
<秀逸>
揺れ残るブランコ涙目の少女 嘉代子
しゃぼん玉子は一言で母を消す 糸遊
永き日の崩れすぎたる女文字 猛虎
いつからか嘘つくことを春帽子 日田路
亜流里 選
<天>
たらの芽の独り笑ひのほろ苦き 文也
理科室の光歪めるヒヤシンス 青二
<地>
缶蹴りの鬼のままにて卒業す 猛虎
野火烈しゴッホの耳を照らし出す 嘉代子
春の宵ちょっと寄り道回り道 土筆
<自句自解>
「楤(たら)の芽」は、新聞のスーパーのチラシで見つけて詠んだ句です。
そこに春を見つけた喜びが湧き出し、香りと舌で味わう「ほろ苦さ」を思い出して口元を緩ませてしまったのを、「独り笑い」として自嘲しておりました。朝食のテーブルに、感覚を飾ることなく並べただけのカジュアルな句ですが「たらの芽」の一語で拾っていただいたと、感謝しています。
はやく本物を天婦羅で食べたいものです。